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ガスエネルギー新聞
(2020年11月9日)
2面でご紹介いただきました

ウェブ活用でガス会社支援

――会社の成り立ちから教えてください。

 当社は2003年4月、元勤めていた広告代理店の仲間と3人で立ち上げました。以前の会社で約30年間、ガス関連の仕事に従事していたノウハウを生かし、創業から18年間、ガス会社さまや販売店さま、メーカーさまのセールスプロモーションに特化してきました。

 具体的には、印刷物の作成やキャンペーン・イベント・レシピ関係の企画・制作、ショールームの企画・施工、映像やホームページ制作を中心としたウェブ関係など、その時々にニーズに応じて幅広く展開しています。

 

――ガス業界では最近、ウェブを使った機器セールが盛んです。

 今春以降、新型コロナウイルスの影響で、消費者は生活スタイルの変化を余儀なくされました。外部との接触を避けたいムードが高まる中、ガス会社の最も得意な「接点」機会が奪われてしまった。こうした中、お客さまニーズを踏まえれば、ウェブを活用したセール・イベントの実施は当然の流れだと思います。

 大手の中には、先んじて数年前からEC(電子商取引)サイトに乗り出す会社もありましたが一部に限られていました。当社は業界全体にネット販売が広がらない要因を、大半のガス機器やリフォーム商材は設置現場によって工事費用が異なることにあると考え、その部分を払しょくするために「見積もり依頼をする」という方式のウェブセールを考案しました。

 これならばネットで決済することなく、まずはお客さまニーズを拾うことが可能です。依頼を受けた後は現場調査、見積もりと従来と同様に、お客さまとコミュニケーションをとることができます。また、対面を望まないお客さまに対しては、メール等を使った対応もできるようにしました。

 当社の提案は分かりやすい仕組みと低予算、短納期が決め手となり、関東のガス会社数社と販売店にご採用いただき、これらの会社は秋から着実に実績を上げています。

 

――手応えはどうですか。

 現在進行形ですが「見積もり依頼」や「予約制商品相談会の事前予約」などのアプローチを多数いただいています。ショールームの予約機能、レシピ動画や地域の飲食店紹介動画も掲載できます。抽選、クイズなどリアルイベントのようにさまざまな催しも可能です。

 当社ではバージョンアップ等が迅速にできるよう、ウェブセールのサイトはホームページとは別のサーバーを使うことを推奨しています。サーバーをご用意いただければ、基本のパッケージ料金でガス機器見積もり依頼サイトを、チラシの作成から始めて1カ月強で立ち上げることができます。サーバーは当社で用意することも可能です。

 ウェブセールを行うには、まず紙媒体を使った告知が必要です。例えばDM(ダイレクトメール)や検針時にお客さまに配布するチラシでは、お得感や楽しさをPRしつつ、ウェブセールサイトに飛ぶQRコードを貼付します。この時、ポイントとなるのが目にとまりやすいQRコードのサイズと配置です。当社の調べによると、これまでウェブセールアクセス者の7割がスマートフォンからでした。パソコン利用は関係者が多く含まれているため、実質スマホ利用がほとんどと考えられますから、スマホアクセスに欠かせないQRコードのPRが重要なのです。

 

――サイトへの効果的な誘引策は。

 ウェブセールが本格的に定着するにつれて、さまざまなマーケティングや広告なども必要になってきますが、当社はこの分野のお手伝いもさせていただいております。ツイッターやインスタグラムなどのSNS(交流サイト)は多くのガス会社が公式ページを運用していますが、まだまだ活用しきれていないように思います。また、検索エンジンに連動し、あるワードで検索した時に上位に自社広告を並べるリスティング広告は今後徐々に増えてきそうです。これは例えば1ワード当たり300円で毎月10万円の広告費を支払うと月333件分、あるワードの検索ランキングの筆頭に自社広告が出てきます。 

分かりやすいところだとガス・電気の競争激化で、電気契約の獲得やガス機器の修理など自社をPRしたい時に使われています。今後これがより浸透すれば、例えば自社から半径3km以内のエリア限定かつ「給湯器」「コンロ」のワード限定といったウェブ誘引策が一般的になるかもしれません。

 しかし、その前にガス会社に提案したいのは会社の顔となるホームページの充実です。地域密着企業として、そこでしか得られない地域の店舗・セール・イベント情報などを独自視点で伝える魅力的なページならば、おのずとファンがつき広告効果も上がるからです。

 

――今後の機器販売手法はどうなると考えますか。

 コロナ禍はいつまで続くか分かりませんが、収束したとしてもこれだけ長く続いた新しい生活スタイルが完全にもとに戻ることはないでしょう。ただ、それはガス会社にとって悪いことばかりではないと思います。在宅率の上昇はDMの開封率向上と同時に、ガス会社の接点機会を増やすチャンスになるからです。

コロナの拡大ペースが落ち着き出した6月ごろから、ウェブセールと並行して、従来通りお客さまに対面提案する予約制相談会などを開くガス会社が増えてきました。まずはコロナ禍の下、お客さまに対する間口を広げ、今まで通り接点を求める方には接点を保ちつつ、昨今の買い物事情も踏まえてウェブを好むお客さまにも対応していく。これまでの販売手法とウェブセールの「いいとこどり」で、業界において新たな実りある接点が生まれることを祈っています。 

コロナ禍にあって当社も、ウェブのノウハウを武器に、関東から全国へと事業規模を広げていきたいと思います。